5 :凧(ひもなし): 投稿日:2006/12/15(金) 00:47:45.38 ID:3cCq2d0q0
3月が終わったばかりの、ある寒い夜のことだ。
ある男が、分娩室の前で祈りを捧げていた。

男:「神様、どうか妻とわが子を助けてください」

男の妻は生まれつき体が弱く、出産に耐えられないため帝王切開を選んだが、それでも命さえ危険であった。
妻と、エイプリルと名づけたまだ見ぬ我が子の無事を祈って・・・
その時、分娩室のドアが開いた。

医者:「極めて難しい手術でしたが、お子さんも、奥様も、良好な状態です。おめでとうございます」

男は喜びに涙を流し、分娩室に駆け込んだ。
が、そこにいたのは手術台の上で血まみれで絶命した妻と、床に落ちて死んだ我が子だった。

背後で医者が叫んだ。

医者:「エイプリルフール!!」