123 名前: 客室乗務員(dion軍)[] 投稿日:2007/10/01(月) 23:07:34 ID:tVmzSQO50
 うなぎってね・・・

そういいながら千明様は、軽く重箱に指を添えながら
優雅な箸遣いで鰻を召し上がっている。

 関西と関東では開きかたが違うの。

座敷の左手のガラス障子越しに見える日本庭園からはムク鳥の声。
背後の床の間には季節の軸らしきものが掛かっているが、
差し込む外光のせいでここからはやや暗がりに見えており判然としない。

 でね。

と言いいつつ箸を置き、静かに肝吸いを飲み終えると
一呼吸の静寂の中、ムク鳥が飛び立つ音が聞こえた瞬間
千明様は傍らの暗闇の中からスポーツバッグを引き寄せた。
軽い金属音が聴こえると僕は反射的に尋ねた。

 デザートとかはいいんですか

そう言い終わる前に質問は返ってきた。

 どちらがいいのかな? 背開きと腹開き。

僕は黙ってシャツを脱いでいる。
畳が汚れるのが少し気になっている。