582 名前:名無しのオプ[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 23:18:04 ID:GPcAIVot
546だけどストーリーに気を使ってみた。相変わらず長文&下手文スマン
「さて、皆さん」
長身の男はその場にいる一同軽く見渡すと流麗な声で言った。
「私は先ほど被害者が発見された現場をくまなく調べましたが、
彼は一見すると自殺としか思えない状況で亡くなっていました。
部屋に通じる扉は鍵が掛けられており、その鍵は被害者のポケットの中。
唯一鍵の開いていた窓の下は断崖の絶壁。到底窓からの侵入は不可能。つまり……」
そこで一息つき、更に力をこめた口調で言った。
「密室殺人という事です」
山の奥深くに建つ巨大な屋敷、JJ館の一室に集められた山神家の住人の表情は一様に沈痛であった。
その中の、恰幅のいい五十代半ばといった初老の男が声を張り上げた。家長の翔太郎である。
「そんな事は分かってるんだ。だから親父の死は自殺ということになるだろう。龍河君、君は一体どういうつもりなんだ?」
長身の男はそこでにやりと笑った。
「申し遅れました。私は東京で探偵業を営んでいます」
「た、探偵……!?」
翔太郎はあっけに取られて肩を落とすと、気の抜けたようにそうだったのかと呟いた。
「で?結局あなたは何が言いたいの?どっからどう見ても自殺じゃないのよ。疑う余地なんか無いわ」
583 名前:名無しのオプ[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 23:19:14 ID:GPcAIVot
翔太郎の妹、鶴子が煙草を片手に龍河を睨む。
「果たして本当にそうでしょうか?皆さん、考えてみてください、この山神家の名の由来を」
翔太郎の長男である跳一がおどおどと答えた。
「そ、それは……隣にある高山の祭神を代々守る家だから」そこまで言うと、何かに気付いたようにあっと叫んだ。
「そうか!!パラグライダーだ」
そうです、と叫んで龍河は続けた。
「被害者の死亡推定時刻には嵐はまだ来てなかった。
隣の山からパラグライダーで滑空し部屋の窓に張り付く、そして窓から侵入し被害者を殺害し同じ方法で崖下に脱出する。
うまく自殺に見せかけたつもりでも、この方法を使えばあの密室は密室でなくなるのです。
つまり犯人はこの中で唯一パラグライダーの免許を持つ、躍二さん、あなたという事になる」
矛先を向けられた躍二は自嘲気味に唇をゆがませると、うなだれたたように言った。
「あんたの言ったとおりだ……」
翔太郎は憤然と立ち上がり、躍二に一瞥をくれると、龍河に向き直り、毅然として、尚且つどこか哀愁を漂わせながら、
「よく指摘してくれた、龍河君」と言い。さらに一同を見渡しながら続けた。
「では、窓の鍵を閉めて、ドアの合鍵と一緒にパラグライダーも処分しよう。それであの密室は完璧になるな。よし、警察に電話だ」
鶴子もうれしそうに頷く。
「よく気付いたわね、龍河」
「探偵ならこれぐらい当然だよ、母さん」
546だけどストーリーに気を使ってみた。相変わらず長文&下手文スマン
「さて、皆さん」
長身の男はその場にいる一同軽く見渡すと流麗な声で言った。
「私は先ほど被害者が発見された現場をくまなく調べましたが、
彼は一見すると自殺としか思えない状況で亡くなっていました。
部屋に通じる扉は鍵が掛けられており、その鍵は被害者のポケットの中。
唯一鍵の開いていた窓の下は断崖の絶壁。到底窓からの侵入は不可能。つまり……」
そこで一息つき、更に力をこめた口調で言った。
「密室殺人という事です」
山の奥深くに建つ巨大な屋敷、JJ館の一室に集められた山神家の住人の表情は一様に沈痛であった。
その中の、恰幅のいい五十代半ばといった初老の男が声を張り上げた。家長の翔太郎である。
「そんな事は分かってるんだ。だから親父の死は自殺ということになるだろう。龍河君、君は一体どういうつもりなんだ?」
長身の男はそこでにやりと笑った。
「申し遅れました。私は東京で探偵業を営んでいます」
「た、探偵……!?」
翔太郎はあっけに取られて肩を落とすと、気の抜けたようにそうだったのかと呟いた。
「で?結局あなたは何が言いたいの?どっからどう見ても自殺じゃないのよ。疑う余地なんか無いわ」
583 名前:名無しのオプ[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 23:19:14 ID:GPcAIVot
翔太郎の妹、鶴子が煙草を片手に龍河を睨む。
「果たして本当にそうでしょうか?皆さん、考えてみてください、この山神家の名の由来を」
翔太郎の長男である跳一がおどおどと答えた。
「そ、それは……隣にある高山の祭神を代々守る家だから」そこまで言うと、何かに気付いたようにあっと叫んだ。
「そうか!!パラグライダーだ」
そうです、と叫んで龍河は続けた。
「被害者の死亡推定時刻には嵐はまだ来てなかった。
隣の山からパラグライダーで滑空し部屋の窓に張り付く、そして窓から侵入し被害者を殺害し同じ方法で崖下に脱出する。
うまく自殺に見せかけたつもりでも、この方法を使えばあの密室は密室でなくなるのです。
つまり犯人はこの中で唯一パラグライダーの免許を持つ、躍二さん、あなたという事になる」
矛先を向けられた躍二は自嘲気味に唇をゆがませると、うなだれたたように言った。
「あんたの言ったとおりだ……」
翔太郎は憤然と立ち上がり、躍二に一瞥をくれると、龍河に向き直り、毅然として、尚且つどこか哀愁を漂わせながら、
「よく指摘してくれた、龍河君」と言い。さらに一同を見渡しながら続けた。
「では、窓の鍵を閉めて、ドアの合鍵と一緒にパラグライダーも処分しよう。それであの密室は完璧になるな。よし、警察に電話だ」
鶴子もうれしそうに頷く。
「よく気付いたわね、龍河」
「探偵ならこれぐらい当然だよ、母さん」