25 :名無しより愛をこめて:2009/06/06(土) 03:50:15 ID:WzsCg4Ly0
うんちく。
空を飛ぶ巨大な目玉というイメージの源泉は、19世紀フランスの画家オディロン・ルドンの
「眼は奇妙な気球のように無限に向かう」という版画にある。
水木しげるのバックベアードをはじめ、 多くの目玉モンスターがこの作品を発想の原点として生まれている。
日本では、文豪芥川龍之介の妖怪画巻「化物帖」の「一目怪」がやはり強烈な影響を与えている。
だが目玉モンスターの源泉はもっと古く、西洋で古代から信じられていた、
毒を持った視線「邪眼(邪視)」 を避けるために家の庇や船体などに描かれる
「魔除けの目」が独立したものと考えられる。
この場合、モンスターの属性は「邪眼」、外観は「魔除けの目」というかたちを取ることが多く、
ファンタジーに登場する「ビホルダー」等の怪物に、その現代的な姿を見出すことができる。
古代より世界中で、一つ目の怪物の存在が信じられていたが、これは「隻眼の神」が
零落して恐れられる ようになった姿と考えられている。
隻眼の神とは鍛冶の神であり、鍛冶職人が火を見つめ続けるために片目を潰してしまう職業病を患うことが多かったことの反映である。
日本の一つ目妖怪「一本ダタラ(たたら=鍛冶場)」「山ン爺」「雪入道」などがこれに相当する。
ギリシア神話の単眼巨人キクロプス(サイクロプス)も元々は神々の鍛冶師であり、かつ宝の守護者であった。
なお単眼の怪物の多くは鼻がなく、額に一本角を持っているが、これは単眼症という
奇形児の顔には鼻がなく、額に突起(本来なら鼻になるはずだった部分)があることと関係すると見られている。
また民族学者・柳田国男は一つ目小僧を、古代の日本で神に捧げる生け贄の人間の
逃亡を防ぐために片目を潰す習慣があったことと関連付け、生け贄にされる代わりに
その日までは犯罪を犯すことを許された
人身御供を、一般の人々が「鬼」として恐れたことの名残りだと説明している。
神話に登場する巨人や龍などの巨大な怪物は、多くの場合「暴風雨」など天災の形象化と考えられている。
それでは単眼巨人の一つ目は台風の目を現わしているのではないかとも考えられるが、
実際に地上から台風の目がはっきり円形に捉えられることは少なく、これは単なる偶然である可能性が高い。
うんちく。
空を飛ぶ巨大な目玉というイメージの源泉は、19世紀フランスの画家オディロン・ルドンの
「眼は奇妙な気球のように無限に向かう」という版画にある。
水木しげるのバックベアードをはじめ、 多くの目玉モンスターがこの作品を発想の原点として生まれている。
日本では、文豪芥川龍之介の妖怪画巻「化物帖」の「一目怪」がやはり強烈な影響を与えている。
だが目玉モンスターの源泉はもっと古く、西洋で古代から信じられていた、
毒を持った視線「邪眼(邪視)」 を避けるために家の庇や船体などに描かれる
「魔除けの目」が独立したものと考えられる。
この場合、モンスターの属性は「邪眼」、外観は「魔除けの目」というかたちを取ることが多く、
ファンタジーに登場する「ビホルダー」等の怪物に、その現代的な姿を見出すことができる。
古代より世界中で、一つ目の怪物の存在が信じられていたが、これは「隻眼の神」が
零落して恐れられる ようになった姿と考えられている。
隻眼の神とは鍛冶の神であり、鍛冶職人が火を見つめ続けるために片目を潰してしまう職業病を患うことが多かったことの反映である。
日本の一つ目妖怪「一本ダタラ(たたら=鍛冶場)」「山ン爺」「雪入道」などがこれに相当する。
ギリシア神話の単眼巨人キクロプス(サイクロプス)も元々は神々の鍛冶師であり、かつ宝の守護者であった。
なお単眼の怪物の多くは鼻がなく、額に一本角を持っているが、これは単眼症という
奇形児の顔には鼻がなく、額に突起(本来なら鼻になるはずだった部分)があることと関係すると見られている。
また民族学者・柳田国男は一つ目小僧を、古代の日本で神に捧げる生け贄の人間の
逃亡を防ぐために片目を潰す習慣があったことと関連付け、生け贄にされる代わりに
その日までは犯罪を犯すことを許された
人身御供を、一般の人々が「鬼」として恐れたことの名残りだと説明している。
神話に登場する巨人や龍などの巨大な怪物は、多くの場合「暴風雨」など天災の形象化と考えられている。
それでは単眼巨人の一つ目は台風の目を現わしているのではないかとも考えられるが、
実際に地上から台風の目がはっきり円形に捉えられることは少なく、これは単なる偶然である可能性が高い。