112 名前:スペースNo.な-74[sage] 投稿日:2009/10/10(土) 21:02:08
父ちゃんが突然死んだ。
ぶっ倒れて、救急車が来た時にはもう心臓が止まってた。
うちは自営業だったんだが、父ちゃんは倒れる直前まで仕事をしていた。
お客さんに配達する商品を車に詰んでいる最中だった。
病院で医者から説明を受けている時、父ちゃんの携帯が鳴った。
父ちゃんが商品を配達するはずだったお客さんから。
「○時に配達お願いしてたんだけど、まだ?」
父ちゃんが亡くなった事を伝えて配達を断ろうとしたら、父ちゃんの怒る声が聞こえた気がした。

父ちゃんは仕事が趣味で仕事が生きがいだった。
お客さんを困らせる事が何より嫌いで、盆も正月も休まず働いていた。

「申し訳ありません、すぐ持って行きます」
とだけ言って電話を切り、母ちゃんを病院に残して自宅に戻った。
車に積みかけてあった商品を原付に積みなおしお客さんの所に行った。
前が見えなくて危ないから、何度も路肩に停止して涙を拭った。
向こうは20年来のお得意さんで自分とも顔馴染み。
遅れた事を謝って、父ちゃんが亡くなった事を伝えた。
「そんな事だったら先に言ってくれたらよかったのに…大変な時にわざわざありがとう」
商品はどうやらその日のうちに届かなくても問題無い物だったらしい。
断っておけば良かったとも思うが、多分あの時父ちゃんは行けって言ったと思う。
父ちゃんのお手伝いきちんと出来た自分はカッコイイって思いたい。