715 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/01(火) 17:55:51.22 ID:8d4dbGvq0
結婚を約束していた彼女が、この世を去って一年。やっと心の整理が付いたので、聞いて貰いたい話があります。

 あれは、大学2年の夏でした。セミの鳴く声がミンミンと五月蝿かったのを覚えています。
涼しい部屋で本を読む事が好きな彼女が珍しく僕を海に誘いました。
免許を取ったばかりの僕が親の車を借りての一泊旅行でした。

あ、川だったかもしれません。でも水辺だったのを覚えています。
川は冷たくて、泳ぐには少し季節外れな感じもしましたが、水面に映りこんだ見事な紅葉が強く印象に残っています。
そう考えると秋だったのかもしれません。

彼女は、川の石に腰掛けると、ゆっくりと話始めました。
「私・・・癌だって。もう長くないの。医者にはあと1年持たないって言われたわ」
その言葉を聞いて僕の頭の中は真っ白になりました。何かに殴られた様な衝撃で目の前が真っ暗になった感じだったかもしれません。

僕達二人は涙で顔をグシャグシャにしながら、今までの事。これからの事を話しました。
「また必ず、この景色を一緒に見に来よう」そうやって、彼女を慰めて帰路に着きました。

あれから一年。山は綺麗に紅葉しました。そこに彼女の姿は無いけれど・・

 これから一生、紅葉の季節になる度に彼女を思い出します。
「美香、今年も紅葉の季節が来たよ。君との思い出は、この景色と一緒に色褪せる事なく僕の中で生き続けるんだ。また会える日まで、さようなら」

あれ?美樹だったかもしれなかったです。でも「み」から始まる名前でした。あと、車はレンタカーだったかもしれないです。
何年も前の話なので、記憶が曖昧ですいません。そんな話を映画で観たんですけど、タイトルを知ってる方はいますか?