881 名前:日出づる処の名無し[sage] 投稿日:2010/11/02(火) 17:24:10 ID:D3UkgFpi
カチリ
玄関の鍵がたてた微かな音を雪子は聞き逃さなかった。
少しの間耳を澄ますと、暗闇の中ベッドからするりと冷たい床に降り、素早くまわりを見渡した。
足音からすると最低2人はいる。雪子が思っている組織の人間なら必ず2人がチームで行動するはずだ。
この部屋には武器になりそうな物は無い。相手もプロだ。一人なら素手でも倒せたかもしれないが、チームなら勝ち目はない。
決断は早かった。枕元の携帯電話を掴むと音をたてるのも構わずベランダのカーテンを開け、扉を開け放った。
音に気がついた侵入者達が寝室のドアを開けた時には既に雪子はベランダの手摺の上に飛び乗っていた。
マンションの4階。地上まで16メートル。数年前に受けたFSBの訓練では15メートルまでは経験している。その時は地面は柔らかい土だったが、今足元に広がるのはアスファルトの駐車場。
どちらにしても雪子に選択肢は無かった。マスクをした侵入者達の顔をチラリと見ると携帯電話を手に持ったままひらりと暗闇に身を踊らせた。


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