201 名前：彼氏いない歴774年[sage] 投稿日：2011/07/23(土) 03:34:58.68 ID:xM4va+zU
人外を買えるペットショップの妄想
超長文注意
とある街角にひっそりと建つ寂れたペットショップ
喪ゆえに恵まれない毎日を送り、心がカッサカサになっていた喪子は癒しを求めてその扉をくぐる。
そこは美形店主がひとりで切り盛りしている店で、世界中のありとあらゆる種類のペットを扱っているのだという。
なるほど小さな店内を見渡してみれば、掃除の行き届いたケージに
犬、猫、小動物、鳥類、魚類、爬虫類…など色とりどりのペットが楽しそうに戯れている。
「お嬢さん、疲れた顔をしてますね」
と言葉巧みに喪子の悩みを聞き出す店主に生来の悩みを残さずぶちまける喪子
「ダメですよね…自分の面倒も見れないのにペットを飼おうだなんて」
「いえ。あなたは愛情深い人ですが、愛を注ぐ相手を見つけられずに迷っているだけですよ。
見たところあなたは責任感も十分あるようですし……どうですか？当店のペットを見ていっては。
あなたを癒し助け、無償の愛を注いでくれるペットがきっといるはずですよ」
と涙を拭う喪子の手を取り、店主は店舗の奥へと向かう
見た目よりずっと広い店舗をずんずん進んでいくと、薄暗い室内の四方の壁を覆い尽くすように水槽が山積みにされている部屋にたどり着く。
エアーポンプのボコボコいう音、夜の水族館のような不気味さにビビる喪子
ある水槽の前に手招きされて中をのぞき込むと、水から透明な腕が生えてきて喪子を抱き寄せる。
「ふげ！？」
大きな水槽に頭から突っ込み、もがきながらどうにか体を起こして脱出すると
喪子の肩には透明な子供のような人型の物体が無邪気な笑い声を上げながらしがみついていた。
ぐにゃりと形を揺らがせるそれの下半身は人の形を成しておらず、手で喪子の頬をなでる感触はまるで……
「す……スライム？」
「ご名答。つい最近養殖に成功したばかりの新種です」
店主はスライムにじゃれつかれる喪子を見ながら、にこりと微笑んで「今ならお安くしておきますよ」とつぶやいた。
202 名前：続き[sage] 投稿日：2011/07/23(土) 03:37:05.91 ID:xM4va+zU
***
「きれいな水を好むので毎日ミネラルウォーターか浄水器の水を与えてください。
餌は人の食べられる物ならなんでも食べますが、塩分の強いものは嫌がりますので与えないように。夏場は暑さでダレるので氷を与えると喜びます」
「年間数センチ"核"が成長し、それに比例してアメーバ状の体も大きくなります。
一年で性成熟し繁殖が可能になります。寿命は15年ほどですが50年近く生きた個体も報告されています。
成体のサイズは風呂桶一杯分といった所ですかね。ちなみにその子は生後半年の幼体です」
「人と接することで知能指数が上がっていくので名前を付けてかわいがってあげてくださいね。
根気よくしつければ人の言うことも聞きますので」
初めて見るスライムの姿に困惑する喪子に、店主は淡々と飼育マニュアルを読み上げる。
その間スライムは喪子をぺろぺろしたり服の奥に触手を伸ばしたりとやりたい放題
どうにか掴んで引き離すもぐにゃりとした軟体は喪子の抵抗をまるで意に介さない。
「もうっ…やめて！こんなスライム買いません！」
「おや、ですがその子はいたくあなたに懐いているようですよ」
「でもこんなわけのわかんない生命体…私面倒みきれません！
私はただ…普通の犬か猫が欲しかっただけなのに…」
パニクった末ほろりと涙を流した喪子の頬を何かが舐める。
見ればスライムが透き通る子犬に姿を変え喪子の腕の中に収まっていた
喪子と目が合うと子猫に姿を変え、縋るように可愛らしい声で鳴いてみせ
元の半人型に戻ると床に降りてじっと喪子を見上げる。
「……あなたにとっては得体の知れない生き物かもしれませんが、その子はあなたを唯一無二の主と決めたようですよ」
胸が詰まるような思いでスライムを見下ろす喪子に店主はそう言った。
203 名前：終わり[sage] 投稿日：2011/07/23(土) 03:41:26.85 ID:xM4va+zU
***
店にいる人外はあるものは迫害から逃れた怪物、あるものは人に忘れ去られた絶滅危惧種
あるものは宇宙から飛来したエイリアン、あるものは人に作られ棄てられた人工生命体
そのだれもが売買されることを承知で店に身を寄せ、それぞれの思いの正邪は店主にも計り知れぬことながら
運命の相手との出会いを待っている。
人間がペットを選ぶのではない、人外が飼い主を選ぶのだ……みたいな設定
店主は迷える人外たちに救いの手を差し伸べる正体不明の人間で、謎の人脈や不思議アイテムを当てに人外の新生活のサポートを何でもやってくれる
人外たちからの信頼も厚い
妄想の中では毎回オムニバス形式で違うお客さんが来て人外をお買い上げし、
街中の至る所で人知れず人外×人間カップルが誕生している
結局喪子は「あと今なら半額＆クーリングオフ受け付けます」の言葉に半ばほだされるようにスライムを迎え入れる
店主の言葉通りスライムはしつけたら飛びつき癖をやめ、言葉を覚えはじめた
喪子の作る食事を美味しそうに食べてくれる姿もなかなか愛らしい
一人暮らしのマンションに帰るたび
『モコ！モコ！おかえり！あのねぼくさみしかったの！おそとのおはなしきかせて！』
と抱きついてきて喪子さんメロメロ
「一日二回、朝晩欠かさずその子の体内に浸かってください。あなたの心の清さに見合う姿になれるはずですよ」
って店主に言われたのを思い出して恐る恐る浸かってみたら汚肌が解消してモテ度が若干アップ。
でもその頃には喪子はスライムしか見えてない幸せな生活を送ってる。
スライムも年を重ねるごとに賢くなって、人間となんら変わらない生活を送るようになってきて
男物の服を着せてこっそり散歩に出たら同じようにひっそり人外を連れた仲間に出会ったりする。
妄想の世界観では人外の存在が認められてるのか認められてないのかまだ決めてないけど
こっそり人外×人間カップル同士で集会を開いて交流したり、
いつか街全体が愛し合う人と人外まみれの状態になればいい
観用少女とかペットショップ・オブ・ホラーズみたいな怪しい店どこかに存在しないかなー
人外を買えるペットショップの妄想
超長文注意
とある街角にひっそりと建つ寂れたペットショップ
喪ゆえに恵まれない毎日を送り、心がカッサカサになっていた喪子は癒しを求めてその扉をくぐる。
そこは美形店主がひとりで切り盛りしている店で、世界中のありとあらゆる種類のペットを扱っているのだという。
なるほど小さな店内を見渡してみれば、掃除の行き届いたケージに
犬、猫、小動物、鳥類、魚類、爬虫類…など色とりどりのペットが楽しそうに戯れている。
「お嬢さん、疲れた顔をしてますね」
と言葉巧みに喪子の悩みを聞き出す店主に生来の悩みを残さずぶちまける喪子
「ダメですよね…自分の面倒も見れないのにペットを飼おうだなんて」
「いえ。あなたは愛情深い人ですが、愛を注ぐ相手を見つけられずに迷っているだけですよ。
見たところあなたは責任感も十分あるようですし……どうですか？当店のペットを見ていっては。
あなたを癒し助け、無償の愛を注いでくれるペットがきっといるはずですよ」
と涙を拭う喪子の手を取り、店主は店舗の奥へと向かう
見た目よりずっと広い店舗をずんずん進んでいくと、薄暗い室内の四方の壁を覆い尽くすように水槽が山積みにされている部屋にたどり着く。
エアーポンプのボコボコいう音、夜の水族館のような不気味さにビビる喪子
ある水槽の前に手招きされて中をのぞき込むと、水から透明な腕が生えてきて喪子を抱き寄せる。
「ふげ！？」
大きな水槽に頭から突っ込み、もがきながらどうにか体を起こして脱出すると
喪子の肩には透明な子供のような人型の物体が無邪気な笑い声を上げながらしがみついていた。
ぐにゃりと形を揺らがせるそれの下半身は人の形を成しておらず、手で喪子の頬をなでる感触はまるで……
「す……スライム？」
「ご名答。つい最近養殖に成功したばかりの新種です」
店主はスライムにじゃれつかれる喪子を見ながら、にこりと微笑んで「今ならお安くしておきますよ」とつぶやいた。
202 名前：続き[sage] 投稿日：2011/07/23(土) 03:37:05.91 ID:xM4va+zU
***
「きれいな水を好むので毎日ミネラルウォーターか浄水器の水を与えてください。
餌は人の食べられる物ならなんでも食べますが、塩分の強いものは嫌がりますので与えないように。夏場は暑さでダレるので氷を与えると喜びます」
「年間数センチ"核"が成長し、それに比例してアメーバ状の体も大きくなります。
一年で性成熟し繁殖が可能になります。寿命は15年ほどですが50年近く生きた個体も報告されています。
成体のサイズは風呂桶一杯分といった所ですかね。ちなみにその子は生後半年の幼体です」
「人と接することで知能指数が上がっていくので名前を付けてかわいがってあげてくださいね。
根気よくしつければ人の言うことも聞きますので」
初めて見るスライムの姿に困惑する喪子に、店主は淡々と飼育マニュアルを読み上げる。
その間スライムは喪子をぺろぺろしたり服の奥に触手を伸ばしたりとやりたい放題
どうにか掴んで引き離すもぐにゃりとした軟体は喪子の抵抗をまるで意に介さない。
「もうっ…やめて！こんなスライム買いません！」
「おや、ですがその子はいたくあなたに懐いているようですよ」
「でもこんなわけのわかんない生命体…私面倒みきれません！
私はただ…普通の犬か猫が欲しかっただけなのに…」
パニクった末ほろりと涙を流した喪子の頬を何かが舐める。
見ればスライムが透き通る子犬に姿を変え喪子の腕の中に収まっていた
喪子と目が合うと子猫に姿を変え、縋るように可愛らしい声で鳴いてみせ
元の半人型に戻ると床に降りてじっと喪子を見上げる。
「……あなたにとっては得体の知れない生き物かもしれませんが、その子はあなたを唯一無二の主と決めたようですよ」
胸が詰まるような思いでスライムを見下ろす喪子に店主はそう言った。
203 名前：終わり[sage] 投稿日：2011/07/23(土) 03:41:26.85 ID:xM4va+zU
***
店にいる人外はあるものは迫害から逃れた怪物、あるものは人に忘れ去られた絶滅危惧種
あるものは宇宙から飛来したエイリアン、あるものは人に作られ棄てられた人工生命体
そのだれもが売買されることを承知で店に身を寄せ、それぞれの思いの正邪は店主にも計り知れぬことながら
運命の相手との出会いを待っている。
人間がペットを選ぶのではない、人外が飼い主を選ぶのだ……みたいな設定
店主は迷える人外たちに救いの手を差し伸べる正体不明の人間で、謎の人脈や不思議アイテムを当てに人外の新生活のサポートを何でもやってくれる
人外たちからの信頼も厚い
妄想の中では毎回オムニバス形式で違うお客さんが来て人外をお買い上げし、
街中の至る所で人知れず人外×人間カップルが誕生している
結局喪子は「あと今なら半額＆クーリングオフ受け付けます」の言葉に半ばほだされるようにスライムを迎え入れる
店主の言葉通りスライムはしつけたら飛びつき癖をやめ、言葉を覚えはじめた
喪子の作る食事を美味しそうに食べてくれる姿もなかなか愛らしい
一人暮らしのマンションに帰るたび
『モコ！モコ！おかえり！あのねぼくさみしかったの！おそとのおはなしきかせて！』
と抱きついてきて喪子さんメロメロ
「一日二回、朝晩欠かさずその子の体内に浸かってください。あなたの心の清さに見合う姿になれるはずですよ」
って店主に言われたのを思い出して恐る恐る浸かってみたら汚肌が解消してモテ度が若干アップ。
でもその頃には喪子はスライムしか見えてない幸せな生活を送ってる。
スライムも年を重ねるごとに賢くなって、人間となんら変わらない生活を送るようになってきて
男物の服を着せてこっそり散歩に出たら同じようにひっそり人外を連れた仲間に出会ったりする。
妄想の世界観では人外の存在が認められてるのか認められてないのかまだ決めてないけど
こっそり人外×人間カップル同士で集会を開いて交流したり、
いつか街全体が愛し合う人と人外まみれの状態になればいい
観用少女とかペットショップ・オブ・ホラーズみたいな怪しい店どこかに存在しないかなー
