362 名前:人間七七四年[] 投稿日:2008/10/09(木) 18:15:31 ID:dqwpqMPm
寺を助ける冴えたやりかた

鷹狩に出かけた家康は、喉の渇きを癒そうと寺に立ち寄った。
寺はみすぼらしく、屋根や土壁は破れ放題であった。見かねた
家康は「なぜ寺の修繕をしないのか?」と住職にたずねた。
住職は答えた。「寺の修繕となれば、この辺りの農民に負担を掛けます。
貧しい農民達の心の拠り所の寺が、彼らを苦しめる事は出来ません。」
感心した家康が寄進を申し出ると、「我が寺のみ将軍様から目をかけて
いただいては、他の寺社から妬まれます。お気遣いご無用でございます。」
家康は寺を立ち去る際、小姓を集め命令した。
「お前達、遠慮はいらぬ。暴れ回ってこの寺を存分に打ち壊せ!」
将軍家康の命令に小姓達は逆らう事も無く、寺を散々に打ち壊した。

数日後、途方に暮れる住職に家康から書状と金が届けられた。書状
には「先日、小姓達が暴れて寺を壊してしまって申し訳ない。ついては
謝罪金を送るので、壊れた寺を修繕して欲しい。」
将軍の寄進と言えば妬まれるが、弁償と言えば角が立たない。
寺は立派に建て替えられ、住職も農民達も家康の心遣いに涙して感謝した。