110 名前:名無しの歌が聞こえてくるよ♪[sage] 投稿日:2012/03/23(金) 03:53:07.09 ID:???
「みーつけた!」
隆志くんが僕の肩を叩く、僕は見つかってしまったのだ。
隆志くんはかくれんぼが強い。強いなんてもんじゃない、超強い。
超強いっていうか、超ヤバい。だから僕はいつも隆志くんとかくれんぼするのが超キツいけれど、隆志くんはかくれんぼしようっていうから、僕は仕方なくする。僕もかくれんぼは好きだから。
「みつかっちゃったかー」
悔しそうに首を傾けてみる。でも僕は悔しくはない。
なぜなら隆志くんはかくれんぼが超強い。超強いっていうかマジ畏怖い。
隆志くんは卒業文集で「大きくなったら世界で一番のステルス機になりたい」と書いていた。
隆志くんなら出来ると思う。僕はそう思う。
「じゃあ次、よしおが鬼な!」
僕が鬼になった。僕は自慢じゃないけれど、普段はかなり鬼だ。
借りたスーパーボールを舗装されてない道路に叩きつけるし、
同じ女を二度抱いたりもしないし、クラウチングスタートでウォータースライダーに乗る。
こないだなんかパソコンでワードとエクセルとフォトショップをフル稼働させながらDVDを焼いた。しかも最大速度で。
僕は相当の鬼だ。あらゆるものの鬼だ。雨とか全部避ける。
けどかくれんぼだけはやっぱりかなわない。
111 名前:名無しの歌が聞こえてくるよ♪[sage] 投稿日:2012/03/23(金) 03:53:37.49 ID:???
「じゃあ数えるよー」
隆志くんはホントすごい。ホントすごいっていうか、超強い。
超強いっていうか、革命っぽい。レボってる。
「いーち」
隆志くんにはかなわない。かくれんぼに関して、隆志くんより強い人がいたらそれはもうほとんど仏だ。
いや隆志くんもちょっと仏の領域に足を踏み込んでいる。蓮の花をこじ開けようとしているのが見える。
かくれんぼの仏がいたら、たぶんいずれ隆志くんに取って代わられるだろう。
それこそ革命、レボであり、隆志くんはやってのけて、そして新たな仏になる。
つまり仏々交換が行われて
「にーい」
けどもし隆志くんから、かくれんぼを取ってしまったら、どうなるだろう?
「さーん」
考えたくないけど、もしそんなことが起ったら。世界は色んなものを諦めちゃうんだろう。
地球は回るのをやめて、人は呼吸するのをやめて、宇宙は広がるのをやめてしまうのだ。
だって隆志くんがかくれんぼ下手になるんだから。かくれんぼのために生まれてきた隆志くんが、かくれんぼ下手だったら。じゃあもう存在なんてものの存在が、存在しないことになってしまうんだ。
そういえばクレヨンを隆志くんに貸したままだ。後で返してもらおう。
返してクレヨン、って言え、とか言われたら、もしそんな事態になったら、法的措置も辞さない覚悟で……
「よしお! 何やってるの!」
「え、マ、ママ!か、かくれんぼだよ!」
「誰と?」
「隆志くん」
「隆志くん? 馬鹿言わないで、隆志くんは、あなた」
「え?」
「帰るわよ、早く。隆志くんもそう思ってるわ」
「嘘だい!隆志くんが帰って欲しいとか思ってるわけ」
「いいから早く帰るわよ!ほら、よしお!」
「イヤだいイヤだい!隆志くんを見つけるまでは!」
「踏んでる」
「え?」
「あんた踏んでるのよずっと!隆志くんを!」
「え、あ!隆志くん!」
「よお!」
「みーつけた!」
隆志くんが僕の肩を叩く、僕は見つかってしまったのだ。
隆志くんはかくれんぼが強い。強いなんてもんじゃない、超強い。
超強いっていうか、超ヤバい。だから僕はいつも隆志くんとかくれんぼするのが超キツいけれど、隆志くんはかくれんぼしようっていうから、僕は仕方なくする。僕もかくれんぼは好きだから。
「みつかっちゃったかー」
悔しそうに首を傾けてみる。でも僕は悔しくはない。
なぜなら隆志くんはかくれんぼが超強い。超強いっていうかマジ畏怖い。
隆志くんは卒業文集で「大きくなったら世界で一番のステルス機になりたい」と書いていた。
隆志くんなら出来ると思う。僕はそう思う。
「じゃあ次、よしおが鬼な!」
僕が鬼になった。僕は自慢じゃないけれど、普段はかなり鬼だ。
借りたスーパーボールを舗装されてない道路に叩きつけるし、
同じ女を二度抱いたりもしないし、クラウチングスタートでウォータースライダーに乗る。
こないだなんかパソコンでワードとエクセルとフォトショップをフル稼働させながらDVDを焼いた。しかも最大速度で。
僕は相当の鬼だ。あらゆるものの鬼だ。雨とか全部避ける。
けどかくれんぼだけはやっぱりかなわない。
111 名前:名無しの歌が聞こえてくるよ♪[sage] 投稿日:2012/03/23(金) 03:53:37.49 ID:???
「じゃあ数えるよー」
隆志くんはホントすごい。ホントすごいっていうか、超強い。
超強いっていうか、革命っぽい。レボってる。
「いーち」
隆志くんにはかなわない。かくれんぼに関して、隆志くんより強い人がいたらそれはもうほとんど仏だ。
いや隆志くんもちょっと仏の領域に足を踏み込んでいる。蓮の花をこじ開けようとしているのが見える。
かくれんぼの仏がいたら、たぶんいずれ隆志くんに取って代わられるだろう。
それこそ革命、レボであり、隆志くんはやってのけて、そして新たな仏になる。
つまり仏々交換が行われて
「にーい」
けどもし隆志くんから、かくれんぼを取ってしまったら、どうなるだろう?
「さーん」
考えたくないけど、もしそんなことが起ったら。世界は色んなものを諦めちゃうんだろう。
地球は回るのをやめて、人は呼吸するのをやめて、宇宙は広がるのをやめてしまうのだ。
だって隆志くんがかくれんぼ下手になるんだから。かくれんぼのために生まれてきた隆志くんが、かくれんぼ下手だったら。じゃあもう存在なんてものの存在が、存在しないことになってしまうんだ。
そういえばクレヨンを隆志くんに貸したままだ。後で返してもらおう。
返してクレヨン、って言え、とか言われたら、もしそんな事態になったら、法的措置も辞さない覚悟で……
「よしお! 何やってるの!」
「え、マ、ママ!か、かくれんぼだよ!」
「誰と?」
「隆志くん」
「隆志くん? 馬鹿言わないで、隆志くんは、あなた」
「え?」
「帰るわよ、早く。隆志くんもそう思ってるわ」
「嘘だい!隆志くんが帰って欲しいとか思ってるわけ」
「いいから早く帰るわよ!ほら、よしお!」
「イヤだいイヤだい!隆志くんを見つけるまでは!」
「踏んでる」
「え?」
「あんた踏んでるのよずっと!隆志くんを!」
「え、あ!隆志くん!」
「よお!」